2024/07/26
自動車のボディは複数のパネルから出来ていますが、各隙間には必要に応じて防水の為にシール材が充填されています、ただ完全密閉が出来ない箇所は水が早く抜けるようにシールしない方がいい箇所もあります。
シール材は最初は柔軟でボディパネルの動きにも追従しますが、経年劣化で徐々に硬化しひび割れてしまいます。そのような個所から水が進入し錆が発生します。
BCNR33とBNR34で錆びやすいストラットタワーはそもそもシールされていませんので当然ですが、それ以外にも錆びやすいポイントがいくつかありますが、その中でリアのタイヤハウスのインナーとアウターの隙間があります。
既に錆が見えていると思いますがこの隙間です、
周辺のシール材のひび割れが見えると思います。
このヒビから水が進入しています、カチカチになっているシール材を剥がしていくと、
シール材とアンダーコートの下で錆が発生しています、
反対側も同じ部分で
錆が発生しています。
この程度ならまだ軽症ですので、表面から出来る限り錆を取り除きます、
更に隙間の内部にも錆は有ると思いますが、そこの錆を取り除くにはパネルを切開するしかありません、切開すると言う事は修復に溶接を必要とします。
すると今後は溶接の影響でまたその部分が錆びやすくなりますので、万全を尽くすには溶接後、どぶ漬け、電着塗装です。
しかし少しの錆で全車電着塗装をいう訳にもいかないので、上記程度の状態であればこの隙間にエポキシ系の溶剤を流し込みます、その溶剤が錆に作用しさらに水と空気を遮断します。
しかし通常の状態では重力の問題で隙間に流し込むことは出来ないので、このように車両を回転させ天地逆さまにして充填します。
硬化後、その隙間に新しくシール材を充填してその上にウレタンコートを散布しさらに塗装して仕上げます。
今回は軽症だったのでこのような処置で対応出来ましたが、ほおっておくと
室内まで錆が進行して、
大掛かりな修理が必要になります。
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2024/07/21
BNR32 161号車は、エンジンの作業を進めつつボディも本塗装に入ります、
当店では、基本的に塗装の場合、全面に下地塗装を行います。今後の耐久性もですが旧塗装との密着や旧塗装、下地からの影響を遮断する目的もあります。さらに161号車は
ボンネット、フロントフェンダー、ルーフに塗装の剥離が数カ所ありました、この症状は経年劣化(主に紫外線)により起こりますが、一部で始まっているという事はどこが剥げてもおかしくない状態であると思われます、そのような塗装の上に如何に綺麗な塗装を行っても下地から剥離してしまうと元も子も無いので、このような状態の外装では、旧塗装の総剥離をします。
ボンネット、フロントフェンダー
ルーフを総剥離して、リアフェンダー左右は張り替えですので、外装の多くの部分は総剥離からの作業になります。
今回は電着塗装は行いませんので、それぞれの材質に合わせたプライマーを塗装して、その上に下地塗装をさらに行います。
そしてボディ色塗装ですので、161号車は純正のソリッドカラーですがクリアコートも行いますので、4コートの塗装作業になります。
更に各塗装の乾燥工程も十分にとる方がいいと思いますので、当店ではブース内にて60度で約1時間乾燥させたあと、自然乾燥で3週間程度期間を置いてから本塗装に移ります。
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2024/07/14
BNR32 166号車は、
リアメンバー取り付けブラケットの錆が、
かなり酷かったので、
そのまま錆の上にシャーシブラックでは耐久性があまりに低いので、ブラストで塗装も錆も剥離して、
パウダーコートで仕上げました。
膜厚があり柔軟性もあるので、飛び石などにも強く、溶剤にも耐性があります。
塗装の終わっているボディへ組み付けます。
フロントも完了です。
BNR32は燃料タンクで見えなくなるので余計に錆の発見が遅れて大事にになるスペアタイヤハウスとその両脇のメインフレームはより入念に塗装、保護しています。
完成までもう少しです。
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2024/07/10
対象物と状況に応じて各種ブラストを使い分けていますが、今回は、
RB26のヘッドですが、このエンジンはフルOHではなく分解、確認のみですのでバルブも外しません、その為洗浄するにも通常であれば洗剤とブラシで洗う程度ですが、弊社ではドライアイスブラストを導入していますので、そちらを使用します、
装置にドライアイスを投入し打ち出します、
数秒で頑固なスラッジやカーボンが除去できます、ここでのポイントは洗浄力ではなく洗浄するためのメディアがドライアイスだと言う事です、分解しないヘッドですのでウェットブラストなどで洗浄すると各部にメディアが入り込みトラブルを起こします、おそらく完全に分解していても複雑な形状である為、メディア残留のリスクは残ります。
ドライアイスの場合一瞬で気化しますのでメディアが残らないのが最大の利点です。
次に
BNR34の下回りですが、
塗布されているシャーシブラックを除去してみます。
すると、
シャーシブラックは綺麗に取れましたが、
その下の錆や塗装の下に発生している錆の剥離が出来ていません、その為ここは別の方法で錆を除去する必要があります。
今回はドライアイスブラストがメインですが、各ブラストそれぞれに向き不向きがあり、対象物とその状況(分解可能かどうか、ブラスト後洗浄できるのか)を加味して機材の選択が必要だと思います。
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2024/07/07
BNR32 161号車は、降ろしたエンジンを搭載前にリフレッシュします。
まずは分解から、
分解を進めて行きますが、
定番のスロットルガスケット抜けから
ゴムホースのひび割れ、
配管の錆にクーラントの滲み漏れ等、経年劣化が進んでおりましたのでリフレッシュのいいタイミングだったと思います。
ボディの塗装や錆び修理が目立ちますが、それらの作業に伴いエンジンや足回りを降ろしている車両がほとんどです、161号車以外にも
ボディの数だけエンジンがありますので、搭載まえには何かしらの作業を行っております、現在は3機のリフレッシュ作業と
一機のOHのメタル合わせ中です。
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2024/07/04
BNR32 166号車は、錆、腐食修理と下回りエンジンルームの塗装が完了したのでパーツの組み付けになりますが、組み付け前にシャーシリフレッシュもご依頼いただいておりますので、施工していきます。
分解したリアメンバーですが、
ブッシュはひび割れ中のグリスが出てきておりました。
リアナックル、
フロントナックル、
それぞれサンドブラストで汚れと錆を落として、
ウェットブラストで仕上げてから、新品ベアリング、ハブ、ブッシュ、グリスシールなど組み付けていきます。
リアメンバーもブッシュの抜き取りから塗装して、新品ブッシュを圧入、
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2024/07/04
BCNR33 168号車は、
リアクォーターを外して、
シール割れからインナーフェンダーとの間も錆が発生しているので、
それも取り外しました、
個々の隙間の錆は、
室内にまで貫通していますので、
その部分を作成して、
その隣の腐食部分も、
作成して、
両方溶接しました。
外したフェンダーアウターの
腐食部分の修理を行います。
またサイドステップパネルも、
取り外したので、内部の状況が見えてきましたが、まださらに内部に腐食が進んでいますので、このパネルも取り外す必要がありますね。
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2024/07/03
BCNR33 168号車は、パテやシール材を除去しながらボディパネルの分解を進めています、
交換するクォーターパネルをめくりました。
サイドステップは、
下の合わせ面が前から後ろまで錆ていますね、
既にパネルが無くなっている部分もあります、
リアのインナーも
経年劣化でつなぎ目のシール材がひび割れそこから水が進入し錆になっています。
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2024/06/28
BNR32ではなく、BCNR33のジャッキアップポイント修理です、BNR32よりは内部構造が変更になり強くなっていますが、そでも純正のパンダジャッキのように一点で持ち上げるのはボディに負担がかかります、リフトのように4点同時に持ち上げるのであればまだマシですが、あまりジャッキアップに適していないジャッキアップポイントです。
さらに錆、腐食が合わさると・・・。
突き上げでななく、室内に突き抜けています、
まずは切開して、
内部の補強パネルを抜き取ります、
補強パネルです、
インナーパネルです、下側のパネルが重なる部分が腐食でなくなっています、こうなると構造上サイドシルアウターとフロアパネルだけになりますので、ジャッキで持ち上げると、一番最初の画像のようになります。
フロアパネルの一部と、インナーパネルを作成して
補強パネルを取り付けて、(補強パネルは純正から厚みを増してリブも変更して強度アップを図っています。)
そして作成したサイドシルアウターを
溶接して板金は完了です。
後は塗装になります。
周辺にも錆が目立ってきている部分がありますので、オーナー様とご相談です。
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2024/06/27
BCNR33 168号車は、アンダーコート剥がしを続けながら、以前に補修されている部分の確認と処理をします、
リアフェンダーのホイルアーチ部ですが、純正より厚みがりスポット溶接痕も見えないのでパテ等で補修されているとはわかっていましたが、
削っていくと、ようやくボディパネルが見えてきましたが、ん?
![3](https://blog.garage-yoshida.net/wp-content/uploads/2024/06/32-560x407.jpg)
通常リアフェンダーは内部にインナーフェンダーがあり断面では上記画像のようになっています、重なる部分がフェンダーの耳と言われてる部分です。
重なっているがゆえに水分が溜まり錆が発生しやすいです。
今回の車両の場合は、
この部分がパテで、
ここがリアフェンダーになり、
このような状態になっていました。
フェンダーアーチの全周が、
同様の造りになっています、
こんな感じです、
裾の部分も、
フェイバーパテで補修されています。
今回は他の部分の補修と合わせてリアフェンダーを両側交換することにしたので、このようにリアフェンダーを外すために作業を行っています。
以前から何度も言っておりますが、以前の修理方法の良否は作業結果だけでは判断できません、その時のオーナー様のご予算や修理期間、作業される店舗、職人さんの得手不得手など様々な要因が絡んでします。
錆や腐食箇所をパテやシール材で補修してある場合は手抜き作業のイメージを持たれている方がおられますが、出来る限り熱を加えたくないと溶接を避けた修理方法であるかも知れませんし、費用を抑えるために作業時間の短縮できる修理方法を取ったのかもしれません。
今回当店ではこの車両の腐食による欠損箇所は新品パネルが入手可能なところは交換し、出ない部分は鋼板から叩いて曲げて成型して復元しますが、それには相当の時間が必要になり結果として大きな費用がかかります。
ちなみにBCNR33の場合、リアフェンダー左右以外の必要となるボディパネルは全て生産廃止で入手出来ませんでしたので、かなりの点数のパネルを製作することになります。
ある程度の部分は3D計測出来ていますので、ストラットタワーのように金型から製作することも可能ですが、製作費用がとてつもないので、ある程度数量が必要になる部分からしか出来ません。
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