2024/04/17
BNR32 161号車はR32定番のジャッキアップポイントの修理フロント側を始めます、
外から見た感じでは少し付き上がってる程度ですが、製造から数十年も経過している車両ではシール材が硬化しており、ひび割れたりしてそこから水が進入します。
家の外壁などでも10年~15年くらいでシール材の再施工など行っているのではないでしょうか、何十年も使用する家では一般的な補修作業の一つだと思います。
しかし車は10年程度の使用期間が一般的ですので、シール材の劣化やそこから起こる水の侵入などあまり注目されいないように思います。
今回のBNR32のように突き上げ自体は軽症でもシール材の劣化による水の侵入は内部で錆を発生させてしまいます。
古い車の錆には多くの方が敏感になっていると思いますが、その原因にも興味を持てば何故錆びるのかが分かりますし、そうすれば対策も出来ます。
ではこのBNR32の場合は、
室内側にはこのように穴が空いていました、
この部分はパネルが重なっている個所でシール材がひび割れると浸透圧で水が進入してきます。
パネル自体の変形はわずかですが、その変形によりシール材がひび割れています、シール材も新しい内は柔軟性がありある程度の変形に追従できますが、経年劣化で硬化すると追従できないどころか、動きの少ない箇所でもひび割れます。
まずはフロアとサイドステップ内側を切開します、
腐食していたパネルを一枚づつ再生します、
復元完了です。次は反対側へ・・・。
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2024/04/12
今回作業させて頂くGT-Rはいつもと少し事情が異なります。
この車両は何年も前に香港に輸出されサーキット専用車として使用されていましたが、昨年この車両を再び公道で走れる様にそして各部をリフレッシュする為にレストア依頼を受けました。
近年GT-Rが海外に輸出される事を車がなくなってしまうかの様に悲観的に伝えられている事を目にしますが、私はそうは思いません。
そこに国境と言う見えない線があるだけで、日本の各地で乗られている事と大きな違いはないと思います。
その為この依頼を受けた後、国内同様、現地に伺い車両の状態とオーナーさんの思いを聞きてきました。
香港でオーナー様とそしてこのレストアプログラムを当社と共に進めてくれているBBLと私で現車両を確認しながら打ち合わせしています。
レストアが完了した時には、もちろん納車に行きますので、また香港に行くのが今から楽しみです。
画像は香港での打ち合わせ時のものです、そして、
香港から船で日本に車両が”一時帰国”しました。
作業完了後は納車の為にまた香港に行きますが、それが今から楽しみです。
でもその前に車両を少し分解したところでその確認とそれを踏まえて再度打ち合わせの為にオーナー様が香港から日本に来られます。
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2024/04/04
BNR32 161号車は、板金を進めながら塗装の下処理も進めています。
あちこちに塗装の剥離がはじまっています、この症状は白色の車両に多いです、現在問題無いように見える塗装面も実は剥離寸前なんてことも十分に考えられます、そのような塗装の上に如何に見た目を綺麗に塗装を重ねても下地から剥がれてしまっては意味がないので、そのような劣化した塗装は剥がしてしまいます。
剥離完了です、
フロントフェンダーも剥離しました。
本来金属面を空気中に露出されることは良くありません、錆び腐食やその以外にも塗装トラブルの原因を作ってしまう可能性があります、しかし塗装にも寿命があり紫外線や度重なる研磨、それ以上に単純に数十年の経年劣化で上面塗装だけでなく下地塗装にまでダメージが及んでいる場合は、やり直すしか方法はありません。
特に再塗装されている車両はどのような工程で再塗装されているかに分かりませんので、その上にさらに塗装を行う事はリスクを伴います。
ある程度年数が経過していたり、劣化が進んでいる塗装は剥離するのがベストかと思いますが、単純に剥離工程が増えるだけでなく、下地処理の工程も増える為、費用は大幅に増加します。
さらに過去に凹みや板金されているパネルはパテも使用されています、こちらの車両もフロントフェンダーには大小合わせて10個近いエクボや凹みがありましたが、それらは塗装剥離前にデントリペアで修理しています。
凹んだままの箇所はそのままデントリペア可能ですが、すでにパテ埋めされている個所は一度パテを取り除いてデントリペアの為(艶を出して光を反射させ凹みを見やすくする)に仮塗装を行い、その上で凹みを修理して、再度塗装剥離を行います。
そうすれば、次はパテを使わず塗装が行なえます。
旧塗装に足付けをしてそのまま塗装するのも、塗装ですし、このように旧塗装やパテを取り除き板金処理後、下地塗装から仕上げていくのも塗装です。
どこまで求めるかで方法や費用は大きく異なります。
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2024/04/02
BNR32 161号車ですが、次は右リアフェンダーの錆、腐食修理です。
サイドステップに大きな穴が空いています、
内側のパネルにも貫通しています。
まずは一枚目のリアフェンダーを外して、
更にバラシていきます。
最後の一枚まで分解しました、
ここから一枚ずつ再生します、
各パネルには接合前に防錆塗装を行います。
少しづつ出来てきました、
形状の複雑な部分は時間がかかります。
ステップアウターも再生していきます、
これを組み付ければ、
あとはリアフェンダーで完成です。
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2024/03/30
当社ではサスペンションメンバーやアーム、ヘッドカバーなどの塗装にパウダーコートを使用しています。
パウダーコートとはその名の通りパウダー(粉)でコートする塗装になります。専用のパウダーと対象物を電位差により付着させてその後、高温でパウダーを溶かして密着させます。
スプレーガンで塗装する通常の溶剤塗装に比べて、耐摩耗性、耐衝撃性、耐溶剤性に優れています。一般的な使用例としては道路のガードレールなどパウダーコートです、紫外線や雨にさらされながら一切のメンテナンス無しで驚異の耐久性だと思います。
こちらは当社で10年前に溶剤による結晶塗装を行ったヘッドカバーです。塗膜の劣化により高圧洗浄機の水圧で劣化した部分から剥がれてしまいました。オイルやその他溶剤の付着する可能性も高くまた高温にさらされるエンジンルーム内ではどうしても塗膜の劣化を早めてしまいます。
その後導入したパウダーコートにて再施工します。まずはブラストにて旧塗装を剥がしてパウダーコートします、専用塗装ガンより電位を帯びたパウダーが噴霧されます、
対象物に吸着します。
吸着後はパウダーが電気的に引っ付いているだけですので、触ると簡単に取れてしまいます。
これをまた専用の焼き付け窯にて、約200度の高温にて焼き付けすると、
強靭な塗膜の完成です。
今回は前回と同じく結晶塗装を行いました。
サージタンクも施工します。
パウダーコートが通常の溶剤塗装より優れているという訳ではなく、優れている点を理解し適材適所での使用が望ましいと言う事です。
オイルやパーツクリーナー等の溶剤、プラグ交換時やその他整備における工具の接触、排気側からの高温など使用される環境に対してそれに見合った塗装方法がいいと思います。
耐衝撃性と放熱性をもった塗料もありそれに適した箇所への施工が可能です。こちらはセラコートと呼ばれる溶剤塗装です、1000度以上の耐熱性や放熱性、防錆性など色々な特性があります。
セラコートに関しては以前よりテストを進めており、より深く理解するために、先日
アメリカ本国にて講義とトレーニングを受け、本国認証店となりました。セラコートについてはまた次回ご紹介させていただきます。
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2024/03/30
BNR34 162号車は、エンジン等機関類の搭載が完了しましたので、
ボディの下地塗装を行いました、
下地塗装は完全乾燥が重要になりますので、ブース内にて強制乾燥させた後、さらに自然乾燥期間をしっかりおきます。
その間にパーツの塗装作業を進めていきます。
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2024/03/22
BNR32 161号車ですが、左メインフレームに上下方向に歪みがあり過去の事故の修理が完了していない部分がありました、
メインフレームに修理した後があり、
その個所の防錆処理があまかったのか錆で穴が空いておりました。
フレームを修正し、
腐食箇所を切開して、
パネルと溶接し板金は完了です。
Posted in BNR32 161号車 |
2024/03/10
BNR32 161号車は、リアフェンダーインナーの再生作業中です、
前側が出来たので、
ホイルアーチ部がかなり錆びていますが、
この部分の錆は基本的に内部より発生していますので、
外より中の方が錆が酷い場合が多いです、前回の書きましたが、このまま錆止めとパテかファイバーなどで表側だけ修理するのも予算を抑えた一つの修理方法になります、ただしその修理方法の場合数年後には内部の錆は更に進行しより酷い状態となって錆が顔を出しますが・・。
フェンダーを外した状態です、アーチのほぼ全周が腐食しています、
錆を取り除けば無くなってしまいそうです、
腐食箇所を切除して作り直します、
再生完了です、
ボディ用鋼板を切り出しまげて再現しました、
これで左リアの板金作業は完了です、あとは塗装してからリアフェンダーの取り付けです。
次は右側へ・・・。
Posted in BNR32 161号車 |
2024/03/04
BNR32 161号車は、
リアフェンダーの下のサイドステップの修復を行います、まずはリアフェンダーを外したところです。
サイドステップアウターを外しました、
さらにもう一枚、
最後にもう一枚切り外しました、外板から4枚のパネルを外してようやく、この箇所のすべての錆、腐食が確認できました。
腐食箇所を大きめに切開し、
鉄板から切り出し作成、
そして取り付け、
もう一枚作成して取り付け、
さらにもう一枚、
もちろんすべてのパネル溶接後に毎回塗装も行います、
次のパネルも
作成し、
取り付け、
後はリアフェンダーですがリアフェンダーを取り付ける前にホイルアーチ部分や、その他にもまだまだ再生しないといけない部分があります。
今回のように錆、腐食発生個所の最深部までパネルをばらして復旧する場合、かなり大掛かりで時間を要す修理となる為、費用も膨らみます、しかしこれでもまだ部分修理です、理想はストラットタワーのように、金型からプレスでパネルを作り切断しないで交換する方がいいです、さらに費用は跳ね上がりますが・・・。
錆、腐食修理の費用について多くのお問い合わせをいただいておりますが、「どこまでするのか?」で内容も費用も大きく異なります、今回の作業のように何枚ものパネルを切り取り再生していく場合と、
この状態からリアフェンダーの錆、腐食部分のみ修理して終了することも可能です。要は一枚目のパネルのみ修理するという方法です。その場合内部の錆はもちろん残ったままになりますので、そこからまた錆は広がっていくことになりますが・・。
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2024/03/04
BNR34 162号車ですが、下回りの次はエンジンルームの塗装になります。
まずは下地塗装、
そして本塗装
ソリッドブラックです。
クリア仕上げで乾燥後、ガラスコーティングも施工させて頂きました、下回りにも施工済みです。
エンジンルームや下回りはボディ外装と違い複雑な形状ですので塗り込みタイプのガラスコーティングでは施工できない箇所が多いのでガン吹きタイプで施工しました。またコーティングの特性も光沢などの美観性能より、防汚性能に特化したタイプを使用しています。
外装の塗装の前に取り外した機関の組み付けを行います。
防音断熱シートの施工もご依頼いただいております、
まずはルーフへ
そしてフロアにも
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