BNR34 164号車 ストラットタワー交換

2024/05/03

BNR34 164号車は、定番のストラットタワー交換と下回りの防錆処理をご用命頂きました。

IMG_6602まずは分解して

IMG_6606現状の確認です。

IMG_6608このくらい下からの錆で盛り上がってきていれば、

IMG_6611内部の錆はある程度進行しています。

IMG_6643

上面パネルの部分切除修理の簡易修理ではなくストラットタワー交換を行います。費用的には簡易修理より当然かかりますが、簡易修理はその名の通り簡易修理です、下のパネルの錆をどんなに完璧に除去して下処理したとしても上面パネルが部分切開の場合、溶接にて接合する為その個所がどうしても錆の再発の可能性が高くなります。

ストラットタワーアッセンで交換の場合は接合方法は新車製造時と同じ手法のスポット溶接で行いますので溶接熱による影響を最小限に抑えることが出来ます。理想的にはスポット溶接後、電着塗装に沈めればさらに防錆効果は高く出来ます。

IMG_6649BNR34専用ジグに固定して新しいストラットタワーの位置決めをします、

IMG_6651このジグに車両が固定できると言う時点でこの車体の寸法はメーカー公表値と同じであることが証明できます。

IMG_6673ストラットタワーと同じく弊社オリジナルのカウルトップブレースも使用してストラットタワー交換は完了です。

IMG_7293BNR34用とBCNR33用を製作し販売しております。ストラットタワーもそうですが、3Dスキャナーで計測し行っていますので形状は同じですが、外装パネルと違い骨格パネルは強度が重要になります。形だけ似ているだけでは自動車として走らせるのに不安があります。

IMG_2769弊社で製造している骨格パネルパーツは純正パネルの形状測定と、その素材の強度測定も行っており、

ガレージヨシダ様向け試験結果_page-0001その試験の結果から、

image3最低でも純正同等、可能なら純正よりも強度のある素材を選定しています。

例えばより柔らかい(変形させやすい)素材を使用すれば、製造に必要な金型を小さく出来たり、使用するプレス機を能力の低くできたりとコストを抑えて作ることも出来ますが、コストよりもまずは性能を優先したいと思います。

IMG_6682ストラットタワーの交換作業が終わったので次は下回りの作業に入りますが、この車体、

IMG_6684シャーシブラックより厚みと粘度のあるアンダーコート剤を散布されており、

IMG_6686まずはこれらを取り除く必要があります、

IMG_6709

なぜならこれらの散布物は錆びる前に施工されていることはほぼ無く、基本的に錆がでてきてから、その錆の上に施工される為、この下に錆があることになります。

IMG_6800その為それらを剥がしていくと、

IMG_6802下から錆が出てきます、

IMG_6797場所によっては、

IMG_6798穴が空いたりしていますので、

IMG_6799部分的に切除して修理します。

IMG_6807錆を除去して地肌の露出した箇所は

IMG_6810溶剤にて処理します。もちろんここでも電着塗装に沈めた方がベストではありますが、総剥離になると大幅にコストがかかります。

IMG_6815溶剤処理の後はシーリングと2液製ウレタンコートそして、

IMG_6828ボディ同色塗装を行います。

IMG_6921エンジンルームも全面下地塗装から

IMG_6924ボディ同色塗装を行い、

IMG_6928完成です。

IMG_6929シール材も機械が施工した不完全な密閉ではなく手作業にて隙間を埋め、塗装も純正のように薄くかけるだけではなくボディ外装と同じ工程でクリアコートし美観と耐久性を確保します。