BNR32 千葉県 O様 143号車 6

2023/04/07

BNR32 千葉県 O様 143号車は、板金作業を進めつつ剥離作業も行っていきます、

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当社では剥離及び錆除去作業に、サンドブラスト、ウェットブラスト、ドライアイスブラスト等のブラスト機械から、通常のディスクサンダー、ベルトサンダーなどのエアツールを状況と箇所に応じて使用しております。

それぞれに一長一短ありますが、目的はいかに素材(ボディパネル)のダメージを少なく効率的(作業時間の短縮)に塗装や錆を取り除く事ができるかになります。

 

切削力(作業時間の短縮)にはサンドブラストが優れていますが、その分ボディパネルへの攻撃性も強く、削りすぎてしまったり剥離中に研磨剤と対象物との摩擦熱で薄いパネルなどは熱による変形を起こす為、肉厚があり強度的に耐えうる場所や素材に向いています。

ドライアイスブラストは切削力が弱く塗装や錆の剥離には使えませんが、その為地肌まで剥離したくない時に有効です、シャーシブラック等の後からスプレーなどで塗装された密着力の弱い付着物だけを取り除くことが出来ます。

また研磨剤が気化して無くなる為、周囲環境を汚さないので分解も最小限で済み作業時間の短縮にはなります。簡易的な部分作業向きです。

最後にウェットブラストですが、サンドブラストに水を足した物で、対象物に熱を加えない為、薄いパネル等への影響も少なく、研磨剤の清掃作業は大変ですが、大きな範囲の剥離作業に向いています。

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このような刻印などサンドブラストですと削りすぎてしまった場合、判別不能になる可能性があります、車台番号など消えてしまった日には大変です。

さらに、使用する水がただの水であればすぐに錆始めますので、大問題ですが、この水に錆止めの溶剤を使用することで剥離後しばらくは錆を防ぐことが出来ます。

 

実際、塗装の剥離や錆除去は取り除く事より、地肌の露出してしまった部分の防錆が一番大変です。特に大きな範囲を剥離する場合には何かしらの処理をしながらでないと、剥離した箇所から錆び始めていきます。

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今ところ当社ではウェットブラストがボディ全体の塗装剥離、錆除去には最適だと思います。

ただしそれでも骨格内部の錆までは取り除く事が難しいので、現在二つの方法で、今後増えてくるであろう更なる錆、腐食の酷い車両への対応方法を試しております。

*(多少の錆は電着塗装前の下処理の薬品へのドブ漬け工程で除去出来ます)

 

また数年前より少しづつ普及し始めてきているレーザーブラストも色々なメーカーより貸出機をお借りしてテストを続けていますが、レーザーに関してはまだ納得のいく出力のものに出会えておりません。

日々の作業を行いつつ、少しでも車両をいい状態に出来るように試行錯誤は続きます。