BCNR33 BNR34用ストラットパネル(仮名称)間もなく販売開始
2022/06/02BCNR33、BNR34の錆び腐食の定番ポイントであるフロントサスペンションアッパー、通称ストラットパネルですが、状況と共に修理方法も変えながら行ってきていました。
まずは、この部分の錆ですが下から進行していきますので、見えてきたころには内部はかなり錆が進行しています。
一見すると錆は無いようですが、内部ではかなり錆が始まっていることがこの状態でも分かります、それは上面のパネルが膨らんできているからです、その膨らみは全て内部の錆によるものです。
*ここで重要なことですが、どの車両であろうとパネルの合わせ面など新車製造時にドブ漬けの電着塗装を行いますが、それでも重なり合ったパネルの隙間には入りきらない箇所が何カ所もありそれらの部分は新車製造から1年もすれば錆び始めています、ですので、BCNR33、BNR34もここだけが錆びているわけではありません、各部錆びています、サイドステップをめくればフロアとの接合面には錆があり、リアフェンダーもめくればフェンダーアーチには錆があります。
ただエンジンルームのこの部分の錆は非常に目立つので、綺麗なエンジンを搭載していてもそこがどうしても気になります、その為の修理でもあります、このストラット部分だけが錆びるわけでもなく、錆が出てくるとすぐに車がダメになる訳でもありません。
最初のころは新品部品が供給されていましたのでストラット一体を新品に交換していました。
これが新品のストラットパネルアッセンです、もう何年も前に生産廃止になりました。
処理をしたあとボディに溶接して取り付けて完了です、今から思えば錆の修理というよりボディ骨格の一部交換で非常に楽な作業でした。
その後、ドナーを購入しそこから中古品として再利用したりして対処していましたが、中古品も入手が困難になりその後しばらくは鉄板から切り出し成型して使用してました。
しかし年々腐食範囲の大きな車両が増えてきて鉄板からの手作業での成形では時間がかかるのは仕方がないとしても、形状は再現できてもあぶって、叩いて溶接したパネルは耐久性の面においては純正新品には劣りますし、何より強度的にも成形範囲があまりに大きくなると不安も出てきます。
しっかり溶接したので大丈夫なはず、、という予想での作業になります。
その上年数が経つにつれて錆び、腐食の進んだ車両が多く入庫するようになりますので、納得の行く修理をする為にもパネルパーツの製造が必要になると思いました。
そんな中、本当にいい時代になったと思ったのは、SNSで修理の状況をアップしていると海外から連絡があり、ストラットの上面のパネルを作っていると言うではありませんか、早速輸入し使ってみました。
車両に合わせて修正は必要なものの十分時短にはなりましたが、上面のパネルのみですので、その内部は相変わらず手作業でたたき出し溶接して付けるしかありませんでした。
当然その下のパネルの錆ます、下のパネルの方が厚みがありますので、少々の錆では穴は空きませんが、薄くなった分強度は下がりますし、どれだけ錆を取って溶剤などで処理しても新品のパネルよりは錆びやすい状態です、
更にその周辺にも錆は広がっていきます。やはり周辺パネルも含まて作るしかないと思います。
しかし道のりは険しくいろんな業者を探すもなかなか条件の合う工場が見つからず、難航していましたが同業者の方からご紹介いただき製造工場様にお会いすることが出来ました。
制作工程ですが、当店では現在生産廃止にっているボディパネル、骨格をこんな日の為に何年もまえからストックしていました。
これらが役に立つときが来て本当に良かったと思います。
凄い機械と言いますか、時代と言っていいのか、全体を計測した後、データ上で分解します。
構成パネルをデータ上で単品に分解して、それら一つ一つのプレス金型を製作します、
製造をして頂いている工場は、現在日本の自動車メーカーにパネルを供給している工場で、使用している材料も引張試験を行い強度が証明された材料で検査証明書もあり、言わば現在の新車に使用されているものと同品質の製品と言えます。
試作品が出来上がりました、個人的には最初に現物を見た時に感動しました、これを繰り返して色々なパネルを製造していけばどのような状態になった車でも修理出来る!と。
各部のチェックや確認を行い、細かな修正を現在は繰り返しております。
車両への組み付け寸法は
こちらも三次元計測機にて計測を行いながら位置を決めていきます。
上面のパネルのみ間もなく販売します、フルキットはもう少し改良を加えてからの販売になる予定ですので以前よりお待ちいただいている方々には申し訳ありませんが、もう少しお時間を頂きます。