販売車両準備中、ストックNO.057
2022/04/12当店ではオーナー様よりお譲りいただいた車両を状況に応じてメンテナンスや修繕、修理を行い次のオーナー様へと引き継ぎのお手伝いをさせて頂いております、コンディションのいい車両はそのままに近い状態で次の方へご紹介出来ますが、もちろんすべての車両がそうではありません、今回ご紹介する車両は前オーナー様がガレージにて保管中にバッテリーが上がりそのままエンジン始動をさせていなかった車両です。
お譲りいただいてから各部の点検をしてそのままエンジン始動を考えましたが、念のためにエンジン内部も確認することにしました。
まずはエンジンを降ろします。
ここからが問題といいますかどこまで交換するか、どこまでの加工を行うかの判断が難しく「やった方がいい」で言い出すと全て交換した方がいいです、例えばシリンダーブロックは巣穴からの水漏れの可能性から言えば交換した方がいいです。
ピストンもクランクもレスポンスやパワーアップを求めるのであれば交換ですが、そうでなくても摩耗を考えれば交換ですし、バランス取りや重量合わせなどの加工、ヘッドもそうですが予算と目的に合わせた仕様を作らないと、どこまですればいいのかが分からなくなります。
その為「エンジンOHはいくらですか?」という質問をよく聞きますが、逆にどこまでやりますか?となります、基本的にOHとは分解整備ですので、エンジンを分解して消耗品のみを交換して組めばOH完了ですが、それでは安く出来ても多くの方が求めているものと異なると思います。
ですので、今回の057号車のエンジンに関してはOHと言えばOHですが、数年間始動していなかったエンジンの内部点検の為の分解です。
その為パーツは出来る限り再利用で行きます、ブロックは計測と洗浄を行い、
ピストンは再利用ですが、リングは新品に交換と、安価で効果が高いと私は思いますので、WPC加工しました、コンロッドメタルも新品に交換です。
ウォーターポンプ、オイルポンプも新品に交換、オイルポンプはBNR34N1を使用します。
消耗品と一言に言ってもどこまでの範囲かによりますが、このオイルフィルターブロックのOリングは経年劣化で硬化が進むとひび割れが起こりますので、交換します。
この判断基準を予算と照らして検討するのが難しい所です、
ここもよくオイル漏れが起こる部分です、素材も対策品に途中で変わったようで左側が旧素材で、途中から右の黒いOリングに変わっています。
コスト重視であれば、漏れてから交換でここはそのまま組むことも出来ますが・・・。
オイルプレッシャーセンサーですが、BNR32だとよく純正の油圧計が動かないか、非常に低い数値しか示さずエンジンが壊れているのかも、と心配される声を聴きますが、センサー不良の可能性もかなりあります。
こちらの車両はまだ大丈夫かどうかはエンジン始動していないので分かりませんでしたし、後から交換も可能ですがせっかくですのでついでに新品にしておきます。
冷却水のパイプですがエンジンを始動せず冷却水が循環しないままで防錆性能も低下すると腐食が進み、
エアレギュレーターも価格高騰で高額になりましたが、これは後から交換が大変ですので念のために今回交換します。
これらと組み上げたエンジンに取り付けて行きます、ヘッドカバーは今回は基本ノーマルの車両ですので黒結晶にしました。
パウダーコートですので溶剤吹付の結晶塗装よりも耐薬品性、耐熱性などに優れます。
交換部品です、これでも最低限の部品のみですがせっかくだからついでにと言い出すともっと増えていきます。
今回はコスト重視の内部点検確認という意味でOHいたしました。
細かな仕上げはまだもう少しかかりますが一旦エンジン始動です。
ついでに、
販売開始までもう少しです。