下地塗装と塗装工程。

2020/04/03

作業内容が掲載された、GT-Rマガジンも発売されましたので、Mine’s BNR34 を例に塗装の下地について。

IMG_7326通常は特に酷い錆がないにも関わらず塗装を剥ぐことはあまりありません、今回は塗装と鉄板との密着があまりに悪い部分が多かったため一度塗装を剥がしました。もちろんMine’s BNR34に関しては塗料分の重量増も考えての事ですが、塗装には当然それぞれ役割がありますので、どれかを省くと性能もそれなりになってしまいます。

 

 

このように地肌まで露出した場合は、まず鉄板と密着するプライマーを塗装します、次にこのプライマーと密着し、さらに塗料にシール性があり水分を遮断する性能があるサーフェサーを塗装します。

このサーフェサーはプライマーとボディ色の上塗りとの両方をつなぐ密着材の役目も果たします。

ですので、地肌→プライマー→サーフェサー→ボディ色(上塗り)の最低3回塗りになります。

ボディ色が2コート、3コートの場合は、合計5回~6回塗ることになります。

 

 

ただすぐに問題が出ないといいますか、症状が出ないのが問題で、地肌に上塗り一回の塗装でも一見きれいに仕上がったように見えますが、

まず密着していないので、簡単にはがれます、次にサーフェサーが無いのでシール性が無く、水分が上塗りを透過して下の鉄に錆が早い段階で発生します。

よく無垢の鉄に缶ラッカーで塗装しただけのものはすぐに錆びてくるのはこれが原因です。一見保護しているように見えますが、水分は通り抜けています。

IMG_7338仕上がってしまえば見た目には今は分かりませんが、下地の工程が行われているかどうかで、すぐに錆びたり剥がれたりと悪い結果が出てきます。

 

Mine’s BNR34は今回、重量増を抑えるべく一旦塗装剥ぎ、ただ今後錆びにくく綺麗な状態を長く維持して欲しいので、

プライマー、サーフェサー、2液性ウレタンコート(部分的)、ボディ色(上塗り)と4工程にて仕上げさせて頂きました。

 

単に塗装費用といっても何行程塗装を行っているかで大きく費用は異なります。

 

さらに塗装材料も多種多様で、安価でそれなりの美観、耐久性のものから高額ですが、高耐久で色艶、美観が非常に優れたものもあります、

「どのような下地作りで」「どのような材料で」「どこまで分解して」「どのような方法、設備で」塗装するかで費用も内容も大きくどころか何倍も異なります。

 

外装の塗装についてはまた別で紹介させて頂きますが、下回りに求められる耐久性とはまた違った、美観や紫外線からの耐性が求められる外装にも様々な目的に応じた材料や手法があります。

 

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「どこまで分解して」

分解に関して当社は、陸運支局長認証の認証工場の許可設備がありますので、通称「ドンガラ」(なにも部品が付いていないボディ)の状態まで車両を分解し、組み立てることが可能な上、最新式の固定式塗装ブースを有しておりますので、

 

まさにボディの表から裏側、室内、エンジンルーム全てを塗装する、本当の全塗装が可能です。

まずはご相談ください。