ウェットブラスト サビ剥離 BNR34 051号車 5

2015/12/20

051号車ですが、いよいよウェットブラストでサビの除去に入ります。

前回の総剥離したBNR32は車体の状態がよく、あまりサビ除去は行いませんでしたが、ウェットブラストを導入した最大の目的の一つにサビの理想的な除去があります。

 

前から言っておりますが、サビはボディのパネル、骨格の金属を侵食していきますので、表面だけでなく、植物のように根があります、この根の部分など、サビを取り残すと、そこからまたサビが増殖し広がっていきます。

 

ですのでサビ除去は出来る限り、大きな範囲で取り除く必要がありますが、新品パネルがある箇所は交換することもか可能ですが、生産廃止でパネルのない場合、切除する部分が大きくなるほど、復元作業に時間が掛かり、費用が膨らみます。

今まではワイヤーブラシ、グラインダーなどで削るか、ドライのブラストで剥離する方法でやってきましたが、

その場合どうしても、健全なサビていないパネルまで削り取りますので、その後の作業が増えます。またブラシなどは入り組んだところには入りませんので、結果として一番サビびやすく、サビを残したくない箇所にサビが残ってしまう可能性が高いです。

ドライのブラストは隙間にも施工できますが、切削力が強すぎで結果として余分にパネルを削ってしまします。

 

そこで当店にて導入したのが、ウェットブラストです。

IMG_2550以上のような説明は今まで何度かしてきておりますが、実車にての作業の様子です。051号車ですが、融雪剤によりサビがフレームに出ております。

リアメンバーを支える重要な箇所ですので、従来のグラインダーなどでも切削除去は削りすぎると強度的に不安が出てくる場合もあります。

IMG_2559ほんの数秒ウェットブラストを当てた状態です。サビていた箇所に凹凸があるのは、まさしくサビの根の部分だけが除去された状態で、

サビていない健全な部分は残り、サビて金属的に結合が弱くなった組織のみ取り除かれています。他の機械(金属ブラシやサンダー、グラインダーなど)では平になるまで削らないといけません。

 

ウェットブラストには剥離後、錆びにくくする特性がありますので、前回のBNR32は総剥離に使用しましたが、最大のメリットはこの部分的なサビの除去にあると思います。

IMG_2531このように腐食したステーなど、今までは交換するか、制作するかしか方法がありませんでした、従来の方法でこのサビを取ると、ステーも役目を果たせなくなるほど薄くなるか、場所によってはなくなってしまいます。

 

もちろんサビに完全に侵食されている部分は、ウェットブラストでもサビを取り除くと、ステーもダメになってしましますが、それでも今までより、はるかに、復活させることのできるパーツは増えると思います。

生産廃止がどんどん増えていく第2世代のGT-Rにとって使えるパーツが増えることは非常に大事かと思います。

IMG_2534ここまでサビを除去しても

IMG_3991こんな部品番号が読めるほど、健全な部分は削らないのがウェットブラストの特性です。

 

今回の051号車は融雪剤によりサビが酷いので、基本的に下回りのみサビています、その為下回りで、さらにサビの発生している部分にのみウェットブラストをスポット的に使用します。

そうすることで部分的でありながら、理想的にサビのみを除去しやすくなりました。

 

また生産廃止になっているパーツ類で剥離したステーなどは、パーツのみで電着塗装を行うことも可能です、作りやすいパーツは作り、製造が困難な複雑な形状で生産廃止のステーなどは単体で、剥離、電着塗装を行うことにより、パーツがなくなっていく今後には、コストも結果として下げれる、修理方法となると思います。

 

(*フレームの中や袋状でウェットブラストが施工しにくい箇所でサビの酷い箇所は、フレームを一部切開してサービスホールを作り、サビを除去します。)

(*ボディの下回りや、一部にスポット的にウェットブラストを施工した場合は、全体をばらしていませんので、ドブ漬の電着塗装は行えませんが、プライマー、サーフェサーにて、入念な下処理後、チッピング塗装、上塗り塗装を行います。

本来電着塗装を行わない場合、塗装は剥離しないほうがいい場合もありますが、サビている箇所はすでに新車時の電着塗装が侵されてしまっていますので、そのままよりサビ除去し、プライマーなどで保護したほうが、今後の為になると思います。)