エンジン内部点検

2014/10/30

エンジンの点検に付いてですが、音やまわした感覚、実際に走らせた感じなどの、同型エンジンとの

対比など経験で基本的な状態は確認できますし、

圧縮圧力の測定など、データ面でも状態を確認しますが、中古車の場合「エンジンをバラして中まで見るわけにはいかないので・・・」

といった感じの事を聞きますし私自身も、現状問題無く、圧縮圧力など測定し問題無いエンジンをリフレッシュベースにしていますが、本当にバラして中まで点検出来ないのか・・・と思い、そこまですることにしました。

 

 

基本的には以前も言いましたがOHするのであれば、中古ブロックは使いたくありませんし、内部パーツも新品に勝るものはありません、また問題無くとも多くのパーツをOH時に交換します。

それは今後のチューニングや耐久性、性能向上の為です。せっかくエンジンを開けるのであればそこまでするべきだと思います。

 

ただ「エンジンをバラしてまで見ていませんので・・・。」「見れませんでの・・・」の裏には見ていないので、

いつ壊れても仕方がないといった意味も含まれていると思います。

 

その不安要素、不確定要素を少しでも少なく出来るようにと思い実施します。

現状問題ないエンジン(当店でのリフレッシュベース)も内部を確認すればさらに安心して今後乗れるのでは?またR35エアフロ、R35インジェクターの性能を生かす意味でもエンジン内部まで確認しているのとそうでないのでは大きな差があります。

 

そこでエンジン内部点検として問題ないエンジン(今回はBNR34リビルトエンジン)を一度あけ、内部パーツを一度ばらし、洗浄、計測、点検、そして精密バランス組み上げします。

再使用不可部品以外は交換しません。ある意味これが本当のオーバーホールです。ガスケットは再利用不可ですのでここはメタルに交換します。

 

これでもすべての不安要素が無くなるわけではありません、ブロック、クランクに目に見えない(内部)にクラックや巣穴などある場合もあります。

それでも、内部も点検しているのと、していないのでは、かなり違うと思います。

 

全車両で行うことは時間的にも難しいですが、従来のエンジン本体をバラさないリフレッシュプランと、

LMなどで行った新品N1ブロックを使用するフルOHプランの中間メニューとして、このエンジン内部点検プランを行います。

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まずはベースとなるエンジンをバラします。バラシ洗浄はいつも通り行います。

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各部メタルをチェックします。このメタルのチェックが出来るのが一番の目的です。圧縮圧力は測定すればある程度のピストン、ヘッドの状態の良し悪しの判断材料になりますが、メタルの状態は音でも出ていない限り解りません。

RB26では特にトラブルの多い部分ですので、エンジンをバラシてここがチェック出来るだけでも安心感が違います。

今回は大丈夫でしたが、判断が難しいですが、傷やメタルのダメージのあるものはそのメタルだけ交換するか、フルOHに切り替えるかします。

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ピストンリングも、スラッジ除去、ハリのチェックなどして組み付けます。

ウォーターポンプ、サーモ等は今までやってきたリフレッシュメニューでも行っていますので、当然新品に交換します。

続いてヘッドの点検に入ります。

 

今回のエンジンのヘッドは事前の計測ではバラツキも問題もなかったのですが、バルブシートに異常のある物がありましたのでヘッドは点検組み付けではなく、シートカット、バルブ研磨、面研磨など通常のメニューに切り替えました。